イザヤ24:14-23 レジュメ

「残りの者の歌」                           N033

Ⅰ.残りの者の歌(14-16a) 

イザヤは、この24章の前半部分で地がひっくり返るということを語った。それは、この地に住む人たちが神との契約を破ったからである。それで神は地を荒れすたらせ、その面をひっくり返し、その住人を散らされると言われた。しかし、そのような中にもわずかながら救われる人たちもいる。「残りの者」である。これはイザヤ書における重要なテーマの一つでもある。この残りの者が、声を張り上げて主をほめたたえる姿がここに描かれている。大患難時代には、それまで陽気にしていた人たちの心がしおれ、悲しむようになるが、それとは対照的にその患難を通って救われた人たちは喜び歌うようになるのである。

黙示録7章9節から17節にも、この残りの者たちの賛美が記されてある。彼らは御座と小羊との前に立ち、大声で叫んで言う。「救いは、御座にある私たちの神と、小羊にある。」彼らは御座の前にひれ伏し、神を拝して次のように言うのである。「アーメン。賛美と栄光と知恵と感謝と誉れと力と勢いが、永遠に私たちの神にあるように。」(黙示録7:12)

ベートーベンが「第九交響曲」を作曲した時、彼の耳は聞こえにくくなっていた。彼はそのような絶望の淵にあって、神の助けを求めて祈り、この曲を作った。それは彼が苦しみの中でその腕を天に差し出し、天での歓喜に溢れていたからだ。

やがて私たちもこの主を賛美する時がやってくる。それこそ私たちの希望である。今は辛いこと、苦しいこと、悲しいことがたくさんあるが、その中にあっても私たちが神を賛美することができるのは、私たちにはそのような希望があることを知っているからなのである。

 Ⅱ.止まらない神のさばき(16b-20)

残りの者たちの輝かしい賛美があったかと思ったら一転、イザヤは「私はだめだ。なんと私は不幸なことか。裏切る者には裏切り、裏切り者は、裏切り、裏切った。」と嘆いている。いったいなぜか?確かに患難時代にも救われる人がいる。しかし、手放しでは喜べない。なぜなら、そこに永遠の滅びに行く大勢の人たちがいるからだ。一部の人たちが救われることはすばらしいことだが、あまりにも多くの人たちが苦しみ、滅んでいくことに、イザヤは愕然としたのだ。彼らは神のさばきからどんなに逃げようとしても逃げることができず、隠れようとしても隠れることができない。天の窓が開かれ、地の基が震えるからだ。天の窓が開くとは、天から巨大な雹が降ってくるということである。それは1タラント(約35㎏)の雹で、家や畑など目に見えるあらゆるものを破壊し尽くす。また地が震えるとは、専門用語で「ポール・シフト」のことである。世の終わりにはかつてなかったほどの大きな地震が起こる。それによって地軸が動き、気候変動や地殻変動などが起こる。その結果、地は酔っぱらいのように、ふらふら、ふらついてしまうのである。そのそむきの罪が地の上に重くのしかかるからだ。

イザヤは、それを見て嘆いた。わずかな者が救われて神を賛美するようになることはすばらしいことだが、一方で、神のさばきによって滅んでいく人たちもいる。私たちはそういう人たちが救われるように祈らなければならない。救いの箱舟の中に入れられ、やがて神を賛美する人たちの中に加えられるように、このさばきのメッセージを語っていかなければならない。

Ⅲ.王座に着かれる主(21-23) 

このところでイザヤは、世の終わりのことを次のように預言した。「その日、主は天では天の大軍を、地では地上の王たちを罰せられる。彼らは囚人が地下牢に集められるように集められ、牢獄に閉じこめられ、それから何年かたって後、罰せられる。」(21-22)いったいこれはどういうことか。これは患難時代の最後に行われる人類最終戦争(ハルマゲドンの戦い)と、その後に現れる地上の千年王国、そして、その後の白い御座のさばきと新しい天と新しい地という、世の終わりの出来事がパノラマのように描かれている。イザヤ書24章が「イザヤの黙示録」と呼ばれているゆえんはここにある。しかし、このところで言いたかったことは何かというと、最終的に主が勝利されるということである。主が御座に着座される。なぜ主を賛美するのか。それは、主が究極的な勝利を与えてくださるからである。この方こそ私たちの希望である。私たちが主を賛美するのは、主が最終的に勝利してくださると信じているからなのだ。

まとめ(自分に適用してみましょう!) 

・あなたには、この残りの者たちのような賛美がありますか。あなたは自分の罪を悲しみ、心砕かれ、義に飢え渇いていますか。神との正しい関係を求めていますか。

・あなたはイエス様を信じないで滅んでいく人たちを見てどのように思っていますか。あなたは、その人たちの救いのために何ができますか。

・あなたが今見ているものは何ですか。目の前の問題ですか。それとも世の終わりにもたらされる究極的な勝利ですか。最終的に主が勝利してくださることを信じて心から主に賛美しましょう。