イザヤ59:1-21 レジュメ

イザヤ書59:1~21   「救いは主の御手に」                           No.93

Ⅰ.神との仕切り(1-8) 

 イスラエルは自分たちの罪のせいでバビロンの捕囚となったのに、それを神のせいにして恨んでいた。神は自分たちを見捨ててしまったと嘆いていたのだ。しかし、絶対にそんなことはない。主は永遠の愛をもって彼らを愛してくださった。だから神は、どんなことがあっても彼らを見捨てるようなことはなさらない。

ではいったい何が問題だったのだろうか。それは彼らの咎であり、彼らのそむきの罪のせいであった。「見よ。主の御手が短くて救えないのではない。その耳が遠くて、聞こえないのではない。あなたがたの咎が、あなたがたと、あなたがたの神との仕切りとなり、あなたがたの罪が御顔を隠させ、聞いてくださらないようにしたのだ。」(1-2)彼らがそのようになったのは、彼ら自身に問題があったのである。

私たちはしばしば間違いを犯すと、それに対して神が怒られ、自分から遠ざかれたのではないかと考えるが、そうではない。神が遠ざかれるのではなく、私たちの方が遠ざかるのだ。人は罪を犯すと神から隠れようとする。その罪が神との間の仕切りとなり、御顔を隠させ、聞いてくださらないようにしているのである。

その罪の結果、人はどのように汚れてしまったか?「実に、あなたがたの手で血で汚れ、指は咎で汚れ、あなたがたのくちびるは偽りを語り、舌は不正をつぶやく。正しい訴えをする者はなく、真実をもって弁護する者もなく、むなしいことにたより、うそを言い、害毒をはらみ、悪意を産む。彼らはまむしの卵をかえし、くもの巣を織る。その卵を食べる者は死に、卵をつぶすと、毒蛇が飛び出す。そのくもの巣は着物にはならず、自分の作ったもので身をおおうこともできない。彼らのわざは不義のわざ、彼らの手のなすことは、ただ暴虐。彼らの足は悪に走り、罪のない者の血を流すのに速い。彼らの思いは不義の思い。破壊と破滅が彼らの大路にある。彼らは平和の道を知らず、その道筋には公義がない。彼らは自分の通り道を曲げ、そこを歩む者はだれも、平和を知らない。」(3-8)その手は血で汚れ、指は咎で汚れ、くちびるは偽りを語り、その足は悪に走り、罪のない者の血を流すのに速くなった。つまり、すべての人が迷い出て、みな、ともに無益な者となってしまったのである。いったいどうしたらこの罪を解決することができるのだろうか。

Ⅱ.罪の告白(9-15)

そのためには、自分がそのような汚れた者であることを認め、その罪を悔い改めなければならない。「それゆえ、公義は私たちから遠ざかり、義は私たちに追いつかない。私たちは光を待ち望んだが、見よ、やみ。輝きを待ち望んだが、暗やみの中を歩む。」(9)ここから主語が「彼ら」から「私たち」に変わっている。つまり、神に指摘された罪を認めて告白しているのである。これまで彼らは嫌というほど、罪に汚れた自分の姿というものを見せられたが、そのことに同意して、自分たちはそのような者だと認めているのだ。罪の解決は、まず認めることから始まる。自分がいかに汚れた者であるかを示されたなら、「その通りです」と認めることから始まるのである。いつまでも言い訳ばかりして、「そんなの関係ねぇ」みたいなことを言っていると、いつまでも罪を解決することはできない。

Ⅲ.主の救い(16-21)

そのとき、主が立ち上がってくださる。「主は人のいないのを見、とりなす者のいないのに驚かれた。そこで、ご自分の御腕で救いをもたらし、ご自分の義を、ご自分のささえとされた。」(16)これは、人間の側にはこの罪から救うことのできる人は誰もいないということである。誰もいないからこそ、主が立ち上がってくださる。主はご自分の御腕によって救いをもたらしてくださる。これが救いである。そして神は、今から二千年前にイエス・キリストをこの世に遣わされ、その救いの御業を成し遂げてくださった。イエス様は、私たちと神との間の敗れ口に立つかのようにして十字架に架かって死んでくださった。神はそのひとり子イエス・キリストを通して義を確立してくださったのである。私たちが罪から救われる道は、このイエスを救い主として信じる以外にはない。私たちは自分の力で救われることはできない。ただ神の恵みにより、キリスト・イエスの贖いのゆえに、価なしに義と認められるのである。

あなたは、このイエスを自分の罪からの救い主として信じているだろうか。もうすぐイエスが再臨される。二千年前にはしもべとして、私たちに仕えるために来られたが、二度目は違う。主が再び来られる時には、栄光の王として、キング・オブ・キングスとして来られる。このイエスの救いにあずかる者は幸いである。あなたも自分の罪を認め、神に救いを求めていただきたい。救いは主の御手にあるのだから。